人間ドックや健康診断で脂肪肝を指摘された方はどう感じられたでしょうか?
「脂肪肝って太っているって事?」
「フォアグラと同じか。そんなに気にしなくてもよいか。」
色々な反応があると思いますが、脂肪肝は、肝硬変や肝臓癌の原因となる
疾患です。
脂肪肝は、飲酒でもなり得ますが、これはアルコール性脂肪肝と言われます。
今回は、飲酒量が少ない方の、脂肪肝について書いていこうとおもいます。
脂肪肝ってなに?
脂肪肝ってなに?
文字通り、肝臓に脂肪が沈着してる状態です。
日本人では、男性32、2~41%、女性で8.7%~17.7%
の方が脂肪肝と考えられており、2040年までに全体で45%程度まで増加すると言われています。けして珍しくない病気です。
特に、人間ドックの腹部超音波検査で脂肪肝を指摘された方は、肝臓には30%以上の脂肪があると考えられます。
脂肪肝には2種類ある。
脂肪肝には2種類ある
脂肪肝には、脂肪に脂肪が沈着しているだけの状態と、脂肪に加えて炎症を起こすものがあります。
ちょっと難しいですが、専門用語では,前者をnonalcoholic fatty liver disease (NAFLD:ナッフルディー),後者をnonalcoholic steato-hepatitis (NASH:ナッシュ)と呼びます。
脂肪肝から肝障害を起こす理由
等が挙げられます。これらの要因がいくつも重なり、肝臓にストレスを与えることで、肝障害を起こしているのではないかと考えられています。
脂肪肝の方で肝機能障害を指摘された方は注意!
脂肪肝の方で肝機能障害を指摘された方は注意!
脂肪肝を起こした方の1~2%の方に、肝機能障害が出現すると言われています。
肝障害が持続すると言うことは、言い換えると持続的に肝臓が破壊されていることを意味します。
肝臓が持続的に壊れるとどうなる?
肝臓の破壊が進むことで、繊維化(肝臓が硬くなる)をおこし、肝硬変に伸展していきます。脂肪肝は治癒可能ですが、肝硬変まで至ると、改善は不可能で有り、肝硬変の治療が必要になります。
脂肪肝からも肝臓癌ができる。
脂肪肝は、珍しくない病気で軽視されがちですが、一部の方で肝臓癌が発生する事があり
注意が必要です。
脂肪肝からの肝臓癌ができる頻度は、脂肪肝のみ>肝障害のある脂肪肝>肝硬変と増加していきます。具体的には、
脂肪肝のみ(NAFLD) 0.5%、脂肪肝に肝機能障害がある(NASH):2.8%肝硬変にいたった方は、10~15%(5年間)
肝硬変に至らない様にする事が非常に重要になります。
脂肪肝から肝硬変になるまでの期間は?
脂肪肝から肝硬変に至るには約20~30年はかかると言われています。
「若い頃から太っていて~」
のような方は、特に注意が必要です。早い方では40~50歳代で肝硬変に至っている方もお見かけします。
脂肪肝を治すには?
脂肪肝を治すには?
治療は、
肝臓の脂肪をへらす、繊維化を進める病気の治療
する事になります。前述したように脂肪肝からは、希とはいえ肝臓癌が発症します。さらに、脂肪肝の方は、多くの方や糖尿病や高血圧、脂質異常症等の病気を持っておられる方が多く、これらを治療する事で、肝機能障害の出現、肝硬変への伸展を抑えることができます。
肝臓の脂肪を減らす
肝臓の脂肪を減らすには、ほとんどの方は、一度は行った事があると思いますが
食事制限、運動療法によるダイエットです。
具体的には
お菓子や果物は控えて、糖質は食事のみから摂取すること
有酸素運動に加えて筋トレを行う事が脂肪肝の改善に良いとされています。
運動に関しては、有酸素運動と、筋トレは同等の効果があると言われており可能でされば両方行う のが望ましいと思います。
肝機能障害がある脂肪肝の場合は、7%以上のダイエットで肝機能障害が改善すると言われています。
80kgの方であれば、6kg弱のダイエットになりますね。
少しずつであれば頑張れるでしょうか。
繊維化の原因を改善する
前術したとおり、
肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、その他:特殊な薬剤、ホルモン異常
は肝臓を硬くする(繊維化)を起こす事があると言われています。
脂肪肝の方は、多くの方が肥満傾向であるのに加えて、糖尿病や高コレステロール血症、高血圧等をもっている方が多いです。
これらの病気を健康診断で指摘された方は、別途、治療を並行して治療を行う事で肝臓の繊維化を抑えられ可能性があります。
まとめ
まとめ
脂肪肝のみであれば、ダイエットや原因となる病気を治療することで、改善可能ですが、脂肪肝から肝硬変への伸展や肝臓癌が発症するケースがあり注意が必要です。
脂肪肝の方で肝臓の機能が高いと言われた方は、一度消化器内科受診し相談して頂く事をお勧めします。
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